障害等級

障害等級によって年金額が変わる

年金手帳を持つドクター

ここまで障害年金について解説してきましたが、人体に残る障害について皆さんは どこまでのことを頭の中で想定して理解しようとお読みになってきたでしょうか。 すでに自分は障害年金を受給している、という人なら自身のおかれた状況を思い 浮かべていたかもしれませんし、今まで怪我ひとつない人生を送ってきた人なら経験 したことのない話なのでフィクションのドラマや映画の登場人物を思い出しながら、 当てはめて想像しながら理解しようと努力して下さったかもしれません。 しかしそれぞれが頭に浮かべている障害はきっと同一ではなく、重度の障害もあれば 物凄く重度の障害もあるでしょうし、重度の中でもやや軽めのものもあるでしょう。 つまり障害という言葉だけでは範囲が広すぎて、全てを同列で語るにはいささか無理 があるといわざるを得ないのです。 これは障害年金という制度を定める時にも役人が気にしていたことであろうと考える のが妥当な事案で、障害を等級別に分けて区別していることがその証拠にもなります。 障害には3つの等級があり、大雑把に重度なら1級、中度なら2級、軽度なら3級と なっていますがそれだけでは言葉足らずで理解できないでしょうから、もう少し詳しく 説明することがこのサイトの使命かもしれません。 障害等級が1級となるのは、身体機能の障害あるいは長期にわたる安静を必要とする 病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの、と定められています。 噛み砕いて言えば1人では生きていけないほどの障害で、誰かに介抱してもらわな ければ生活すらままならぬ状況になった人がこれに当てはまります。 自分の手の届く範囲、ベッドの周辺でしか行動できないようなケースで、介護して くれる人が常習的にいなければ入院することになるでしょう。 また家の中を歩き回ることは出来なくもないけれど医者に止められている(ドクター ストップ)人も同じことで、診断結果によって制限されているのならたとえ動けても 動けないのと同じ扱いになります。 寝たきりとはいえないまでもほぼそれに近いのがこの障害等級1級で、仕事どころか 日常生活すら相当不自由な状況の人がこれに該当することになるでしょう。 次に2級ですが、1級よりも軽度とはいえこちらに当てはまる人も相当な苦労をして 生活していると想像できます。 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状によって、日常生活に 著しい制限を受けるか日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの、 と定められており、無制限の生活を送っている人は完全に対象外になっています。 具体的には介抱無しでもある程度活動出来るけど制限も多く、家の中をゆっくりと 練り歩くことは出来るけど階段を駆け上ったり廊下を走ることは不可能な人物、 そんな人が2級に該当すると言っておきましょう。 料理で例えるなら、お茶漬けやカップラーメンは毎日おいしく作れるけどマグロの 解体や重たい中華鍋を振り回して創る料理は無理、というのが適切な表現です。 毎日仕事に出かけることも困難で、活動範囲はほぼ住居内であったり入院している なら病院内のみ、外出は月に3回のような生活パターンになり、常人とは言えない 障害持ちの制限された生活を送っているのがこの2級になります。 それに比べると3級はかなり軽くても対象になり、自宅での生活は普通の健康人と そこまで変化はなくてもよい感じになっています。 問題なく日常生活を送っているけど労働には著しい制限がある、というのが3級の 定義で、仕事においてなにかしら制限を加えられている人が3級に相当します。 家では1人で階段の昇降がスムーズに行えたり、好きなときに好きなだけ歯を磨く 体力があったり、ゴミ出しも自分でできるような人でも3級にならなれるでしょう。